【ドリーンブログ】自信のなさが創造性の発揮に役立つ理由(前編)
私は、著書『クリエイティブを仕事にする方法』の中で、自分の感情や、浮かんできたビジョンやアイデアをもっと信頼する方法について書きました。
私は世界中を旅して、多くの有名な作家やアーティストの方々に会ってきました。そこで気づいたのは、彼らは多少なりとも自分に対して不安を抱いていたことです。それでも彼らは自信の欠如を創作のエネルギーに変えて、素晴らしい作品を生み出していました。きっと、あなたも同じようにできるはずです!それでは、私の新しい本について少しご紹介しましょう。
以下は、私の本からの抜粋です。
「自分は、基本的な部分がどこかおかしいのではないか」と感じながら、日々を過ごしている人たちは少なくありません。皆さんもそのように感じたことはないでしょうか。実は、私も同じように感じていました。すべてがうまくいっているような人を見ると、自分と比べてしまい、息が詰まるような不安を感じていました。
感受性が強い人や、人付き合いが苦手な人は、特にそういう傾向があります。「変わっている」という理由で、からかわれた経験のある人ならなおさらです。幼い頃から、20歳過ぎ位まで私もそうでした。
さあ、思い切って創造を始めましょう。
「作家になるためには、完全な自信がなくてはならない」と信じ込んでいたら、私はまだ最初の本に手を付けてさえいなかったでしょう。
苦しい経験が、創造性を発揮するために必要な要素だったと知ったら、あなたはどう思うでしょうか。心の痛む出来事、孤独な変人のように思った瞬間、襲ってくる虚無感・・・数々の経験が素晴らしい作品を創り出すための理想的な出発点となるのです。
創造性という言葉の定義は、何か新しいものを生み出すことです。創造することの反対は、同調することです。創造的であるための勇気とは、人に同調しない勇気を意味しています。
他人にからかわれたり、いじめられたり、残酷なことを言われたりした人は、その辛い体験を内側に溜め込み、それが人格の一部になってしまいます。そのうち、自分は変な子供で、誰も一緒に遊んでくれないのだと決めつけてしまいます。自分は社会に拒絶されても当然だと思い、不安感から人を遠ざけたり、逆に人に好かれようと頑張り過ぎたりして、友達を作るチャンスをふいにしてしまいます。そして最後には、「がっかりするくらいなら頑張っても無駄だ」と自分に言い聞かせ、あきらめてしまうのです。
クリエイティブであるための最初のステップは、あなたの心の内側をキャンパスにして、感情をパレットにする勇気を持つことです。絵画、本、歌の創作、ビジネスを立ち上げることなど、あなたの創造するものが何であってもかまいません。さまざまな経験を通して得た感情の中に、創造へ繋がる鍵が見つかるはずです。
勇気を出して、最近経験した辛い感情に意識を向けてください。そして自分を優しく労わってあげましょう。あなたが感じた心の痛みは、たくさんの人に共有されます。「自分は誰にも愛されないし、何の取り柄もない」と思っているなら、その感情を素直に表に出すことで、同じように感じている誰かを助けることができます。
このような暗い感情を表現し、理解する手段は、音楽や本、映画やアート、写真、ダンスなど多岐に渡ります。アートは、鑑賞する人自身の影の部分に焦点を当て、理解を助け、癒してくれます。長く世に残る作品は、アーティストの心と魂から生まれた本物だけです。
心の中で、私たちが恐れを抱く部分(エゴと呼ばれます)は、その影に気づいてほしくありません。エゴは無意識の恐れで私たちを支配しようとするからです。私たちが恐れをはっきり認識すると、エゴは支配力を失ってしまいます。ですから、エゴは私たちに内面を見つめることや、感情を理解することは危険だと囁いてくるのです。私たちが自分のことを悪人だと感じているなら、それは事実なのだと、エゴは説得しようとします。
けれども、実際そのように感じさせているのはエゴなのです。精神世界の真実において、私たちは創造主と同じくらい素晴らしい存在です。私たちは創造主の姿かたちに似せて創られたからです。
(後編へ続く…)
「Doreen Virtue | official Angel Therapy Web site」2016年6月27日掲載のブログ より
ドリーン・バーチュー
エンジェルオラクルカードシリーズの著者。カウンセリング心理学博士であり、50タイトル以上の著書とオラクルカードの制作に携わり、“エンジェル・レディ”というニックネームで知られています。オンラインで受講するセミナーやワークショップの他、世界各国でライブワークショップも多数開催の実績を持ちます。
現在は信仰上の理由により活動を制限していますが、過去に執筆した多数の名作が、現在も多くの人々の心の支えとなっています。