癒しと活力の旅。瀬戸内国際芸術祭へ<前編>

瀬戸内国際芸術祭

草間彌生<赤かぼちゃ>

アートと自然三昧の旅へ。

こんにちは。秋がそろそろと深まる日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
私はゆっくり夏休みも取れなかったので、秋はどこか旅に出て癒されたいなぁと思い、
ずっと行ってみたかった瀬戸内国際芸術祭へ行ってきました。
今回はその<前編>として、旅のレポートをしたいと思います。

瀬戸内国際芸術祭とは3年に一度、瀬戸内海に浮かぶ島々で行われる芸術祭のこと。
国内外から多数の現代アーティストが参加し、島の様々な場所でインスタレーションや作品の展示をしています。

私は2泊3日の滞在予定だったのですが、とにかく膨大な数の作品があるので、とても全部周りきるのは無理!
特に観たい作品の展示場所と、島々を行き交う船の時間を確認しながら、
島は自転車で周ろうと思ったので、レンタル自転車屋さんの所在確認や宿の手配…etc
芸術祭自体もはじめてだったのですが、瀬戸内海の小さな島々へ行くのもはじめて。
はじめて尽くしの旅の準備に心が躍りました。

 

「現代アートの聖地」直島(なおしま)。

まず1日目に訪れたのは、
世界から「現代アートの聖地」と呼ばれている直島です。
直島といえば現代美術に詳しくなくても、
この奇妙な光景をどこかで目にしたことはありませんか?

瀬戸内国際芸術祭

草間彌生<南瓜>

この巨大なかぼちゃは世界的にも名の知れたアーティスト、
草間彌生氏の作品です。
波がちゃぷちゃぷと打ち寄せる桟橋の上に静かに佇むかぼちゃは、
どこか奇妙でシュールな、独特の存在感を放っています。
こういったインスタレーションや美術館が島内の各所に点在していて、
それを自転車やバスなどで移動しながら楽しみます。
さすが聖地と呼ばれるだけあって、まさに“巡礼”のようなイメージです。

直島に着いたらまずは島の南側にある「地中美術館」や「ベネッセハウス ミュージアム」方面へ。建築家・安藤忠雄氏設計の「地中美術館」はその名のとおり、地中に埋設された美術館です。
もともと「クロード・モネの作品『睡蓮』を展示するための美術館」という
コンセプトから造られたそうで、絵画を自然光で見せる、
モネの愛した庭園をイメージしたアプローチからその世界に入って行ける、
など随所にそのコダワリが詰まっていました。

瀬戸内国際芸術祭

モネの庭園をイメージしたアプローチ

島の東側の地区で展開されている「家プロジェクト」群でもさまざまな作品が
楽しめたのですが、中でも真っ暗闇の建物の中を手探りで進み、
人の視覚効果を利用したインスタレーションが体験できる「南寺(みなみでら)」が印象的でした。
この簡素な外観からはまるで想像のつかない世界へ引き込まれます。

瀬戸内国際芸術祭

ジェームズ・タレル<南寺/バックサイド・オブ・ザ・ムーン>

そして頬に風うけながら自転車で島内を巡っていると、こんなすばらしい景色がそこかしこに・・・。

瀬戸内国際芸術祭

瀬戸内国際芸術祭は都市や街にある美術館のように、
チケットを買ったらすぐにアート作品が鑑賞できるわけではありません。
わざわざ飛行機や電車、船を乗り継ぎ、さらに島についてからも自転車やバスを利用して・・・と、作品を鑑賞するまでの道のりがすごく遠いんですね。

でもその大変さ、不便さを経て出会える、島の自然の美しさとアートの
混然一体となった世界が目の前にパーッと広がる感覚が本当に格別で、
ここでしか体験できないと思います。
自然とアート。それぞれの異なるエナジーというか、パワーみたいなものが
押し寄せてきて精神が浄化されるようなイメージです。

自転車で島を巡っていると、日ごろのストレスや雑念がいつの間にか
遠くへ行ってしまったようで心からリラックスしていました。
そして2日目、豊島(てしま)へと旅は続きます。

後編>に続く

この記事の著者
著者:石見幸子プロフィール画像

Sachiko(さちこ)

フリーランスのWEBディレクター/ライター
美容、コスメ、ファッション、健康食品など女性向けサイトの制作や運営に多数たずさわる。興味を持ったことは何でもトライして、浅く広く楽しむタイプ。好きなものはお酒、食べること全般、旅、音楽、アート、読書、映画、ゲーム、ジム通い。

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